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名古屋は快晴。朝からピストルの音で目が覚めました。
ピストルと言っても「ようい、どん!」のスターターの合図のこと。
今日はすぐ近くにある小学校の運動会。
校舎にはねかえった声援は、合宿明けで眠りを貪るカオポンを容赦なく起こしてくれたのでした。


「カオポンてんてー。明日、おにいちゃんの運動会見にきてくれるよね」

合宿の帰りのバスで、そんなことを聞かれたのを思い出し、ごそごそと服を着替えて学校へ。
丁度“お兄ちゃん”は、徒競走に出場するところでした。
自分の手元にいた頃は、どんな時でも自分を頼りにしていた子だったけれど
小学生になれば、そんな思い出は忘れているはず。
むしろ、本人にとっては思い出すと恥ずかしい事ばかりだったから、
私がいくのもどうかなあと思ったのだけど。

好きな事意外はまったく気がのらないのは、あの頃と変わらず。
クラスの中でひとりだけ違うことをしているのも変わらないこと。

変わったのは、親にべったりの甘えん坊が、親の観戦を嫌がるようになったこと。

できるだけ見つからないように人垣の一番後ろで様子を見ていたら、
そのこは私の姿を見つけて手を振った。
きっと、次の種目は自信があったのでしょう。
笑いながら、その子はスタートラインに向かって走っていきました。

結果は一位。

競技が終わって退場する時、嬉しそうに手を振ってくれました。
あともう少しで、私の背を抜かしそう。
送り出した生徒が大きくなった姿を見れて、ちょっぴり胸が熱くなったのです。


運動会。
いつも主催する側に立っていたから、応援にまわれるのは滅多に無い機会ですね。




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