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カオポンが住んでいるところは名古屋の下町。
地方から来た自分にとって、そこで使われている「名古屋言葉」は、最初とても驚きでした。
名古屋弁と言うと、時代劇で戦国ものになると、
かならず秀吉が「ほーだがやー」等と「がやがや」と言い、
最近は名古屋の市長さんが「みゃあみゃあ」と語尾につけなさる。
なんとなく名古屋弁はあまり品がよろしく無いと思っていたのに、
この町で使われる人たちの言葉は随分印象が違った。
太平洋戦争で空襲にあっても、ずっとここを離れずに生きてきた人たちの口調は、
ちょっとおっとりとしてる。
この町に嫁いでから数年経ったあと、
少しずつこの土地の人たちと交流を持つようになってからは
ここの言葉が耳に入るたびに、優しい気持ちになる。

商店街の真ん中にある「毛糸屋さん」。
塗料の抜け落ちた看板には、もう店の名前は読めず、このあたりの人はみんなその店を
「毛糸さん」と呼んでいる。
裁縫が趣味の私が、はじめてその店を訪れた時のこと、
毛糸さんの店主は店内を物色する私に向かってこう言った。

「この中はごちゃごちゃしてて、悪いなも。
ちょっと片付けるから、お茶でも飲んで待っててなも」
高齢で目が遠くなったため、あまり商品を片付けることができないでいるので、
本当に店の中はごちゃごちゃだ。
でも、そのごちゃごちゃ感が凄く良かった。
すでに20年は落ちているいるような古いプリント生地にボタン、色の抜けたリリアン、
刺繍糸、ガラス瓶にいっぱい詰め込まれた小さなビーズ、昭和時代のアニメキャラのアップリケ。
「おばあちゃん、動かんでいいよ」と言うと、店主は恥かしそうに「すんません」と詫びた。
あの時の、「なも」と言う言葉がとても優しい響きで、名古屋言葉も良いなあと思った。

それ以降、このあたりの商店街を訪ねては、
お店の人や買い物に来たばあちゃんを相手に、
昔の名古屋言葉をたくさん教えてもらった。
一つ一つあげるときりが無いので、またそれは今度の機会にする。
ちなみに今日の日記のタイトルに掲げた「ええなも」。
これは、「良いなあ」「素敵だなあ」と言う意味。

「ええ」は「良い」の訛り。「良い」から「いい」。「いい」から「ええ」。
名古屋の市長さんは、「良いじゃないか」と言うのを「ええがや、ええがや」と言う。
こちらの人たちは「ええなも、ええなも」と。
「がや」より、「なも」の方が自分としては聞こえが良い。
ちなみに近所の和菓子屋さんでは、「なもなも」と言う名の饅頭が名物。
中が白い漉し餡の、優しい味。

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今朝、出勤する前にメールを開いたら、ぺるさんと、もたこさんからのメールが届いていた。
お2人とも、10月から始まるお店(カンタループ)のスタッフとして、精力的に頑張ってくださってる。
もたこさんからは、オープニング期間用のTOPイラストを、
そしてぺるさんからは美しいカクテルの画像を、
このサイトで使用させて頂くことに。
朝から何度も「ええなも!」と感嘆の声をあげている。

昨日はカンナ嬢に、こんなのはどう?と提案をしてみたり
(もたこさんと、カンナさんのコラボ作品を見てみたいと君たちは思わないかい?えっ?思うだろう?)。
急に秋めいてきたこともあり、開店に向けて気持ちがじわじわと高ぶるのだ。

ええなも
ええなも。
本当に、ええなも。

皆さんの心遣いに、感謝の気持ちこめて。
本当に、ええなも。
ありがとう。

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