「アリの誓い」
やあ諸君。僕はアリ。そう、昆虫の蟻。
今日も僕の体はピカピカに黒く光ってる。
いつもしっかりとキメるのは結構大変なんだよねえ。
でもさ、僕ら働き蟻の身分でも、ひょっとしたら女王様とお会いできるかもしれないんだよ。
それで何十万も、何百万もの働き蟻の中から
「まあ、アナタの名前は」なんて見初められちゃうかもしれないんだぜ。
という事で、僕は毎日女王様の為に一生懸命に頑張っているんだ。
ところでさ、この数日。
僕達の“とりで”の上で何か「ドンドン!」って音がするんだけど、ありゃあ何だい?
地下数メートルも深く掘った僕達の居住区の上に、
さっきから「ぶーんぶーん」とか「ぷぺぽー」とか
可笑しな音が響いてくるんだ。寝れたもんじゃないよ、ったく……。
でさ、僕はこの音の出所を突きとめようと思ってんの。
噂によると女王様も気になっているらしいんだ。
「あの音を聴くと、胸がドキドキしてしまうの」ってさ。
だから思ったんだ。
僕がこの音の謎を解き明かしたら、
女王様は僕の事を好きになってくれるかもしれないってね。
さあ、ぐずぐすしてなんかいられない。
さっき、情報屋のモグラも「20年ぶりに地上に出てみるぞ」なんて言ってたし、
先を越される前に何とかしないと。
じゃあ、諸君。
僕こと「アリ」は今から旅に出ます。
何日かかるか分からないけれど、必ずここに戻ってきます。
もしも何日経っても僕が戻ってこなかったら、
どうかこの言葉を女王様にお伝えください。
「僕は、アナタの事が好きでした」と。
それじゃあ、しゅっぱーーーつ!!
Fin
さあ、もうすぐ祭りも終盤。
少しずつおいらも書こうかな。